乙女ゲーマーはお兄さまに恋してる

乙女ゲーヒロインを操作して恋愛することになった喪女の波乱万丈の乙女ゲーム生活を描いている『(ヒロインの)精神潜入ロマンティックラブストーリー』

暗闇の果てで君を待っていたのは結局誰なのか

「暗闇の果てで君を待つ」

ずっとやりたかったタイトルなのだが、我が3DSはテニスの王子様ドキドキサバイバルをプレイしていたある日壊れ、下画面の色がおかしくなり皆肌の色が緑がかって見える宇宙人状態になっていた為プレイを断念していた。

 

なんとか新たな3DSを手に入れ、プレイを始めた私を待っていたのは良作サスペンス乙女ゲームだったーー

www.youtube.com

 

なんとこの作品、ちょうど8年前のもの。2010年くらいを境にすると大体それ以前の乙女ゲーは物凄い良作かヤバイやつっていう認識があるのだがこれはとても面白かった。

 

シナリオは犬童まゆさんという方。調べたら我が推しゲーのマスケティアにも関わっているらしい。良シナリオをありがとうございます。

 

ざっくりしたシナリオは、林間学校に来ているヒロインはバスでキャンプ地に戻る途中で事故にあってしまい、意識を取り戻すと見知らぬ廃校にとじこめられていた!この事態を仕組んだのは怪しげな『仮面の男』なる殺人者、しかもこの中に内通者がいる……?!同じくバスにのっていたイケメンたちと協力してここから脱出だ!!

みたいな話である。

 

このゲームの最初、狭く暗い部屋でパソコンに向かっている謎の影のスチルに合わせてテレビからニュースが流れているのだが、その内容が「廃校で男女8人の死体が発見された」というもの。

次々と挙げられる名前はこのゲームの攻略対象たちである。初っ端から不穏な雰囲気でワクワクが止まらない。最後に挙げられた名前でヒロインの名前入力をすると場面は変わり、ヒロインが目を覚ます。どうやら彼女が見ていた悪夢だったらしい。本当にただの夢かな?^^

 

なんやかんやでイケメンたちのキャラ紹介的イベントが入り、例のバスに乗り込むことに。

登場人物は

葵水央(cv高橋広樹) イケメン生徒会長で真面目、葵財閥の次期跡取り

桜葉克己(cv岩田光央) 昔の幼馴染。写真好きのパン屋

秋山朋(cv阪口周平) テニス上手い人。ガタイが良い。

穂波陽介(cv斎賀みつき) テニス上手い人2.かわいい顔の金髪ハーフ。生意気

風野太郎(cv藤原祐規) 一人だけ他校の人。胡散臭い。

高坂貴彦(cv成田剣) 先生。見た目がときメモGSヒムロッチを思い起こさせる。

 

である。正直、この時点で高坂が怪しすぎる。

 

バスの運転はもう一人の先生、神子元先生(cv川田紳司)なのだがおっとりしていて癒される。最初こんな声優豪華なんだから隠し攻略キャラでしょ!と思っていたら隠しではなかった。残念。

話に戻ると、バスを運転していると神子元先生に向かって物凄い光が浴びせられペーパードライバーの先生は当然運転ミスる。助手席の高坂先生が助けようとするも時すでに遅し、バスは事故ってしまう。

 

そして目を覚ますと件の廃校のとある教室に閉じ込められちゃっているのだ。ヒロインと一緒に閉じ込められたのは桜葉くんと神子元先生。落ちていた脅迫状に出てったら殺す的なことが書かれているが、脱出するためにはここにいられないと探索しに行ってくれる神子元先生。完全な死亡フラグだ。

 

案の定、神子元先生は死ぬ。神子元先生の殺害がチュートリアルなのだ。つらい。

 

探索を進めると他のキャラたちに出会えるのだが、テニスの二人もなんか微妙にギスギスしてるし、会長と風野は完全に嫌な雰囲気が流れている。あと、高坂だけ発見時に何故かロープで巻かれ猿轡をしている。

他のみんなは普通なのにこんなに厳重に拘束されている高坂先生ーー怪しすぎる。

あとここら辺で、まだ入ってないのにそこが視聴覚室だと断定して話す葵会長に疑心度上がりまくり↑↑

しかも、さっきバールのような物を拾ったし最悪これで犯人殴り殺せばおk!と思った矢先に、窓ガラスをバールで割ってそのままバール外に投げ捨てちゃう会長。なんで。

 

 

その後、教室で見るも無惨な神子元先生の死体が発見される。

更には犯人からの放送が入りなんかこの状況の説明とか理由を言ってくれるが忘れた。とりあえず皆を七つの大罪に当てはめ、抱えている心の闇的なものを言い刺激していくのだが、高坂の大罪が「色欲」で無駄に興奮したことは完璧に記憶している。

 

そしてここからはパートナー、つまり落としたい男を選択して探索を進めていくことになる。
初回、一番犯人じゃなさそうな桜葉を選択。(犯人と名乗る女性が桜葉の失踪したお姉さんの声にソックリというか本人?で、桜葉はとてつもなくショック受けているのだ。こんな優しくて幼馴染でしかもパン屋の男が犯人なわけない!!!!)

 

早速探索を開始!アイテム拾ったり使ったり、会話からヒント得たりと脱出ゲームみたいでとても面白い!!夢中になっていてスキンシップ取れるの失念していた。
あとこのゲームバッドエンドが多い。シャンデリアを探索するときにトイレで入手するゴム手袋を嵌めないと感電死する。なんだこのゲームおもしろっ!

 

謎を解いてシャッターを上げると先に進めるように。
ここでまた謎の女の声が放送されるのだが、会長は焦ったように先走って奥に行ってしまう。
保健室と職員室のあたりから声が聞こえたみたいだから確かめようとして~みたいなことを言っているのだが、やっぱり視聴覚室の時と言い何か知ってるな?!と思ったらさすがに他の皆も怪しみだして、当然「なんでここのこと知ってるんだオマエ!!」となる。
会長「実はここにきたことがあるんだ黙っててすまない。」

 

ここから空気は最悪だ。会長が怪しすぎるからと鍵のかかる部屋に監禁する流れに。
私も最初怪しいと思ったけど!!でもここまで怪しいと逆に怪しくないしなんか会長可哀想だからやめたげてよお!!という願いも虚しく監禁は固定シナリオだった。

 


そして探索開始。
ここで新たな人物が登場。おっさんである。このおっさんは、非攻略だ。
おっさんは撃たれているらしく、最初は我々を疑うが疑念を晴らすと協力してくれる。いいやつだ。と、この時までは思っていた。


探索を進め、おっさんの協力も仰ぎ、会長の手も必要だから監禁を解き、全員で協力して仕掛けを解いていると、
高坂が死ぬ。

完全密室だが、発見者の会長曰く「人は2ℓの血が流れると死ぬというがあれは2ℓ超えてるから死んでる」のだそうだ。ヒロインもこの時会長の態度を怪しんでいたが、本当に怪しすぎる。怪しすぎて怪しくないでもやっぱ怪しい男、高坂――


次は俺たちがターゲットだ!!と怯えていると案の定イケメンたちがターゲットに。
一人ずつ死の罠にかけられるのだが、これを犯人が地道にシコシコやったと思うと少しだけ笑える。

ここでの罠は全ルート共通で、
桜葉くんは巨大歯車の間に頭が挟まれてて時間になると首がーー!!
穂波は冷凍庫に閉じ込められ
秋山はガスが充満していく部屋に足かせで繋がれ
風野は時限式のアイアンメイデンに入れられ
葵会長は浅い水の中で溺れかけている。

 

ここでパートナーと協力し、全員を助けられるかが重要らしい。

ちなみに一周目、攻略を見ずに進めたら全員助けられたものの何か足りなかったらしくノーマルエンドに。

 


ここまでの犯人予想や疑念は
・まず神子元がバス運転してたし最初に退場したから怪しい。死体もちゃんと調べてないからミステリ的には生きてて犯人もありえる
・高坂は密室の中で死んだことになっているが、死体を確認できていないから怪しい。
・葵は犯人ではないとほぼ断言できるが挙動不審だから何かある
・やはり桜葉くんは真っ白。別の√でも彼だけは死なせないようにしたい

といった感じ。


ここからは攻略に沿ってトゥルーを進める。


秋山√

彼も言動からして犯人ではないっぽい。
序盤、穂波と険悪な雰囲気になる展開があるが、正直どっちも悪い。
普段から人をからかうような態度の穂波を、秋山は心の中で不満に思っていた。そんな中、探索で虫の死骸を発見してそれを隠さず穂波に見せてしまい、虫が苦手な穂波は激怒。
2人とも悪いとは思っているけどすれ違ってみたいな展開。「いつも秋山をからかってるくせに」と思わないでもないが秋山もここら辺で結構無神経なので何とも言えない。
一応その後にお互いが普段思ってること話し合って仲直りはしてくれた。

尚、秋山√で穂波を、穂波√で秋山を救出失敗するととても後味が悪い。


穂波と話すうちに、穂波が何か隠していることに気づく。
隠していた事とは、おっさんが職員室で倒れていたのだがその際点滴をしており、まるで毒薬のようだがそれは解毒剤で、良かれと思って点滴を抜いて他人に殺させるのが目的。という犯人の罠なのだが、穂波はその点滴が解毒剤と知りつつ最初に抜いたのだという。
そんなことをしてしまったのは、おっさんが穂波の父親の悪事を追ってここに来て巻き込まれた記者であり、穂波としては父親は恨んでいるが自分の居場所がなくなるのは困るからばらされたくないという事情だった。
穂波はその後良心から点滴を戻すが、それを風野にみられてしまい脅されているのだ。

もうこの時点で風野への好感度がダダ下がりだった。絶対に許さない。
でもハッピーエンドだから普通に穂波の知恵と秋山の頑張りで解決する。良かった。


あと語るべき点は
・ロッカー?を秋山君が探索するときにぶつけてしまうのだが、その時のSEがゴスッ!ドカッ!!みたいな音で、立ち絵も胸を押さえて苦しそうにしてるから超絶ビビった。ロッカー内に犯人がいて殴られたのかと思った
・好感度上がる方の選択肢を選ぶと照れ顔が見れるのだが、その顔がなんともいえない微妙な顔なのだ。いやらしいというか性的な笑みで見ていて少し不安になる。彼自身はエロのエの字もない人で逆に物足りないが。

というところか。

1周目にやるべき√だなという感想。真相に遠いというか。普通に秋山くんは良い人だね!って感じ

 

穂波√

こういう生意気な童顔キャラは性癖外なんだけど斎賀さんのボイスが素晴らしいね。
選択肢で「プライド高いね」みたいな方選んだら好感度上がるのがなんか面白かった。

秋山√で彼は色々つっかかってきたので「あの時のこと忘れてないわよ…」みたいな気持ちでいたのだが、彼が虫を嫌う理由で……一気に……

虫嫌いの理由は、穂波くんは祖父母に育ててもらったのだが、そのお祖母さんが死んでしまった時に発見までに時間が経っていてその死体に虫がたかっていたのを見てしまったから という重い理由
さらには、「穂波くんは遺伝子学の権威の父親を持つがその父親遺伝子操作されて生まれた上に望み通りにならなかったから厄介払いされた」
という激重設定。
どこぞのヤンデレ双子を思い出す。


攻略し終えて、高坂は死んだはずなのに(密室ではなくその後また死体が別の部屋で発見され遺書もでてくる)、仮面の男が出てきて襲われたおっさんは除外だし最後助かった時に生きて出るみんなの感じから皆は除外だし仮面の男はいったい誰なんだ?!?!となった。

 

穂波の感想としては、踏み込まれるのが嫌がって線を引くのに自分から遠ざかられるのは嫌という矛盾を抱えてる、人の感情が上手くわからない子。穂波君自信が自分は遺伝子操作されてるから他人が分からないんだって自虐してるのが泣ける。
自分のことは語らないくせに自分のことを分かってくれなんて傲慢だった。王子様を待つお姫様じゃないんだから
っていうところは成長したなーって感動する。

あとおっさんに苛立ちが募る。他の√ではよく思えた人物が見方を変えると悪者に思えるっていう構図は他の√でもあるのだが、とてもよくできていて今作の魅力の一つだと思う。

一番好きなシーンは、
探索中にテラスから月を見て綺麗と呟くヒロインに、日本人は瞳が茶色や黒系だから(月が)セロファンを通したように黄色に見えて西洋人は青色だから月が青く見える という蘊蓄を披露してくれるのだが、それに対してヒロインが「でも綺麗と思う気持ちは同じだよ」というのところ。ヒロインだなー。

 

 

風野√
秋山√でコイツの本性を知ってしまったので好感度マイナスからのスタート。そもそも私は他人見下してたりひねくれてるキャラが苦手なので心が死んでいた。妹が病弱で手術費が必要とか言われても、ね……
喪女の心を閉ざすは忍足より閉ざしてるんやで。


さっそく会長に対して、「真っ直ぐさや世界が善いものだと信じてるのがムカつく。不条理を知らない。」とキレる風野
ハアアア??と風野にキレる私。
そこで会長が、そういう意味で僕を嫌っているのなら軽蔑する的なこと言ってくれて惚れる。
「僕の価値観を見下げたうえで踏みつけにしてやるというのは傲慢」って言ってくれるのがとても良い。


あと、善意の貯金箱をみてこういうの大嫌いって風野が言うシーンがもう…無理で…こういうのに募金する奴は自分じゃなくてよかった、とか自分の欲を満たすために募金してるんだ というのだがどんな形であれそれに助けられている人もいると思うし、妹が死にかかっててもそれ貫き通すのか?と思ってしまう。偽善でもなんでも行動して良い結果残した方がいいと思うのだがこればかりは人間分かり合えないから仕方ないね。

でも風野は頭の回転速いところがいい。高坂が視聴覚室で死んでるシーン後に、死んでないだろって会長に言う。

でもやっぱり風野に肩入れできないというか。風野の父親が葵グループの下請けで働いてたけどクビにされて~みたいなの、会長を責めるのお門違いだと思うしそれでも謝ってくれた会長に「お前が謝っても無意味」みたいなこと言っちゃうあたりがイヤーーーーーーもうつらい。人は分かり合えない。

ここで良いのはヒロインがしっかりしてるから、風野をちゃんと叱ったり意見してくれるんだよ、、、
やはりヒロインが良いといろいろ楽しめるからいい。


CG回収のために救出シーンで本当にたまたま葵会長を風野√で殺してしまったのだけれど、死んだ会長をみて「会長を使って俺と妹の人生やり直す計画がパーになった!」って風野がキレる。
ハ???????????????ってなるでしょ。

もう心を閉ざしすぎて風野にヒロインをあげたくないという気持ちまで生まれる。風野にもいろいろ事情があるのは分かるのだが如何せん会長の方が可哀そうになって無理なのだ。

あと高坂が犯人だったとここで確実に分かるのだが、「な、ナンダッテー!高坂が快楽殺人者ダッタノカー!(棒」状態だ。

紆余曲折を経てトゥルーエンド。会長は高坂の悪事をもみ消そうとしていたのだが風野がそれをこっそりネット配信していたので失敗に終わり警察に。風野は脅迫で警察につかまる。
ヒロインに止められたから会長を強請って金を手に入れることはできなくなったけど、葵グループの株売買で大金を得るという……
高級時計をプレゼントしてくれるのだがその理由が「換金しやすいから」ってオマエ分かってないな!!!!!!!って思ったらヒロインが
「好意でやったことにお金を払われると哀しくなる」といってくれて、本当にヒロインいいキャラだ。


以前の自分は恥ずかしかったと言えるところ、風野成長したなー
以前は、働かない親に難病の妹のために頑張る特別な俺 とか 世の中のリアルを知っていて賢くて生活力あって超スゴイ とか思ってたんだと。とんでもねーですな。

この事件が無かったらと思うと……

風野好きになれたなって思ったところに最後のスチル……うん。なんでもない!
ヒロインの良さが際立つルートだった。

 

 

葵√


会長!!怪しいと思いつつも信じてたのに風野√であんな!!!!でも会長自身はとてもいい人だと分かってるから……

という感じでのスタート。信じられそうだから と選択したら
なるべく多くの人が幸せになれるような選択をすることになれているから君個人を切り捨てた方がいい時は躊躇わない

ってどこのアサシンだ

 

印象に残ったシーンは
・会長は風野につっかかられても冷静に対処してるなと今まで思っていたのだが、ヒロイン曰く会長は風野の言葉を日本語として理解していてもこころまではなぞろうとしいない らしくアアアーーー

・レールの上を歩くだけの人生なんて嫌だ!というキャラが世の中に溢れる中、会長は
「努力すれば障害なく前に進める。これ以上を望むのは贅沢すぎだ、慎むべきだ」

と言うのだ。あまりにできた人間すぎて好感度振り切れる。ヒロインからすると会長は○○すべきだという話し方が多くて捉われているように見えるという。

・なりたい職業はないがお笑い芸人はすごいと思っている会長。ネタを考えたりするのか聞いたときの返し↓

重い荷物を運ぶときに手をかざしてフゥゥウウと気を込めて言い「あ、軽くなった!気ってすばらしい!これが本当の気功師の貴公子」
そして止まるBGM

こういうギャグに弱いので死んだ。

などなど。


この後の探索は会長が監禁されるので高坂と回ったのだが、高坂と葵が親戚だと本人たちからも告げられる。以前の√にもヒントはあったけれど。
ここで高坂に親戚だということは秘密にするように言われるが食い下がって「先生なのに嘘をすすめるんですか?」を選択したところ
後ろから刺された。

やっぱり他に犯人がいるんじゃないか!!!!!

高坂が確実に犯人だと思っていたのでワケワカメだ。
ところでバッドになると、宇宙空間のようなところでパソコンをいじっている神子元先生のスチルが出てきてバッド解説してくれるのだが、その後に豆知識まで披露してくれるのだ。
その豆知識がここでは「葵はプールに入らないから彼は水をかけられると溶けて死ぬ水溶性、実はしっぽがある、金属製のロボットなどの噂が学校で流れているが出どころは高坂先生」というものなのだ。
頭が混乱するから今ここでその豆知識はやめてくれ。


気を取り直し選択肢でバッド回避。その後また会長に会いに行くと、優雅にティータイムしていた。
この人が死んでる状況下で、しかも自分が疑われて監禁されているのにティータイム。恐れ入る。さすが財閥の御曹司は格が違う。

実はこのシーンは割と重要で、この時に会長が「紅茶の淹れ方だけでなくいろいろなことを高坂から教わった。小さいころから自分にとってのヒーローだ」と語ってくれるのだがもうつらさしかない。こんなに純粋な会長の期待を裏切っているんだぞ高坂!!!!!!
ちなみに会長は水が苦手なのだが、
「小さいころ何度も溺れかけてそのたびに高坂おじにたすけられていたんだ」
と語られたとき悲しすぎてどうにかなりそうだった。
会長、それぜttttttttttったい高坂がわざと沈めてるで。

 

会長√だと、会長から高坂の死体は偽装だと教えてもらえる。でもこの後風野にはバレてた。さらに風野の恐喝にも乗る。
√で大きく展開が違うと楽しい。

救出シナリオに突入して、風野も助けるわけなのだが会長なんかに助けられたくないとごねる風野。
置いていきたいがトゥルーのためには全員生存が条件なのだ。
ここで会長はあんなに風野にいろいろ言われたのに助ける道を選ぶ。こういうところが好きだ。


全ルート、救出シナリオは全員助けた後に何者かに気絶させられてパートナーが死の罠にかかった状況で目を覚ましヒロインが一人で罠を解く展開となっている。

ここでも目が覚めると会長が死の罠、つまり中庭の浅い池みたいなところで溺れているのだが、
一度ここで会長を殺してしまうという痛恨のミス。

なんと今回は助ける手順が今までと違うのだ。
正直このゲームは脱出に関わる仕掛けのギミックや救出シーンは完全に金太郎というか共通だ。(話自体も流れは同じなのだがパートナーが違うと見方や台詞も異なるので気にならない)

攻略は選択肢だけみていたので、溺れてもがく先輩を見守ることしかできなかった。

再挑戦して救出すると、

授乳スチルきたーーーーー!!授乳スチルについては前のダカーポの記事で語っているので参照。

正確には授乳スチルから少し離れるが文章上はそうなのでカウントだ。

興奮してしまったが会長は泣いているし結構シリアスなシーンである。なんといっても会長の水嫌いを知っているのは高坂だけなのだ。
会長は信じたくないだろうがもう完全に高坂が犯人だ。可哀想にもほどがある。しかしヒロインがいてくれるおかげで真実に向き合える会長。乙女ゲームっぽい展開だ。


最後に教会で高坂との対峙場面。高坂には双子の弟がいて発見されたのは弟だと語られ「え?」となる私を無視して「双子が生まれれば一人は闇に返すという闇のおきてが~」とか会長も言い出して、それはズリィよ。

あとやっぱり水のトラウマ植え付けてたのは高坂だった。会長の名前が水央だから水にしたらしい。


ここでのやり取りで、人を殺す快感がなぜ皆は分からないのか?と昔から不思議だったと高坂が言う。確かに彼はどう考えても異常だが、幼いころから自分のことが理解されないというのは辛いだろうなと、これが今回殺人衝動だったから余計にこじらせておかしくなったのだと思うと何とも言えない。


最後はあらかじめ皆と打ち合わせしていた通りに教会に大量の水を上から流し込む作戦で高坂をしとめる。
高坂が会長を知り尽くしていたように、会長も高坂を知っているからこそ「高坂は会長に物事を教えるのが好き」という性格を活かして質問を続けて時間を稼ぎ、「水が苦手」という会長ならできないと思われるような手段で意表を突いた。

 

晴れて脱出しめでたしめでたし。最後はおでん。
おでん……?ウッ、花宵ロマネ……

良いルートだった。

 


高坂√


ネタバレ:神ルートです


ずっと待ち望んでいた√。
確実に犯人だと分かったし、仮面の男は双子の弟だということも分かっているし、一体この√では救出シーンやそもそもハピエンはどうなるのか?!と期待値が飛びぬけている。
あと、高坂は2周目以降の攻略制限がかかっている。高坂を最初に選んだ人はパートナー断られた時点で察するよなコレ……

無事パートナーになり、先生がいるから怖くないというような選択肢を選ぶ。
「怖いなら、私の袖でも掴んでいなさい」

これを優しく成田さんのお声で言われたらもう、駄目だ。色々とだめだ。

途中桜葉くんと会った時に露骨に嫌そうな顔をされる。桜葉くんは高坂を怪しんでるので幼馴染のヒロインにそんな奴と一緒にいてほしくないのだ。
なんていい子なんだ。そして君の予想通り高坂は犯人だぞ。
高坂が「快楽殺人者はたいてい、そういった罪を犯す人には見えないのです」と言っていて、あああああああ

続けて桜葉くんは最初にいた部屋の鎖で巻かれたキャビが気になっているらしいのだが(このキャビは何故か開かないし今までも開ける機会なかった)、高坂はきっと中身はガラクタですよと言うので怪しすぎる。


会長との会話では、バスから皆を運ぶのに男2人は必要だし、放送は女性の声だから3人犯人がいると見ているそうだ。鋭い!と感心していたがその直後に「バスに乗っていた我々の中には犯人はいないと思う」と言い出してずっこけた。

どう考えても怪しいだろ!!!ここにいる高坂とか!!!

あとここにきて私はまだ神子元先生を真犯人とかで疑っている。


桜葉くんのお姉さんの失踪事件の切り抜きを見つけるシーンで高坂の両親も死んでいると知るヒロイン。「すみません…」って申し訳なさそうなヒロインに心が痛む。ヒロインちゃん!!!!両親殺したの、高坂だよーーー!!!高坂が言ってたよーーーーーーーーーー!!!!
先生がいなくなったら寂しいですと言って好感度を上げておく。
「私もあなたがいなくなったら寂しいと思うでしょうね」
アーーーーーーこの感じ、ね……


あとインパクトあったのは

・スキンシップで手をタッチしたら「手を貸しなさい。他の人に見咎められないよう白衣のポケットの中でなら繋いであげられますから」
 こんなん萌えるわ

・ビーカー入手した際に手を怪我するヒロイン。出血したヒロインを見たときの驚いた声が心なしかエロい。というか興奮してるっぽい

・圧迫止血法ですといって強くゆびを握ってくる高坂。嫌な予感しかしない。
 高坂「どんな病原菌がいるか分かりません。消毒薬はないですから代わりに……」
 ヒロイン「(えっ…、ちょ…ええええ――!?!?)」
 指ペロペロスチル

・秋山との会話で穂波くんを信じてるんだねって言ったら照れたんですけど、お前、それヒロインに照れてた時と同じ反応、


とか。


通常高坂の偽装したいが見つかる前の探索シーンで、突如今までにないイベントが始まる。

高坂に図書室に呼び出されたのだ。ここから、犯人は誰だと思う?みたいな面談が始まるのだが、ここで高坂以外を指名するとバッドエンドになる。
ヒロインに気付いてほしかったのかもしれないみたいなことを言いつつ失望している感じの高坂が、貴女を殺せば心の中に起った波も鎮まるだろうと言った瞬間に後ろから仮面の男に刺されて死んだ。

こういう特殊バッドみたいなのとても良い。
あとここの台詞で高坂がヒロインを特別に感じ始めているのが分かるのも良い。


ロードして再開。今度こそ高坂が犯人だと言い当てる。首絞めスチルまである。
でもここで犯人だと言い当ててどうなるの?殺されるの?それとも高坂が改心するのか?と思っていたらなんと
ヒロインが高坂の力になると言い出す予想外の展開。

そりゃ高坂もビックリするわ。
私も数々の乙女ゲームをやってきたけど普通の女子高生が好きな人が殺人犯だからって手伝う!と言い出したヒロインには初めて出会った。


正直これだけでもうプレイした価値がある。

 

ここからがさらに神展開。
弟に疑念を抱いている先生は弟と対峙することに専念するらしく「あなたは他の全員を殺し、この校舎に残る、最後の生存者となりなさい」とか言われる。


いやいやいや無理でしょ無理だよねヒロインちゃん?と思っていたらヒロインちゃんもさすがに「無理です…」と断る。
だよね殺したくないよねーと安堵したのもつかの間、女一人では無理だなどと言い出す始末。
用意してある罠に一人ずつ嵌めれば大丈夫ですよとか高坂がなんか言っているが頭に入らない。

一体どうしちゃったんだヒロイン。

恋ってすごい。喪女には分からないよ……

 

いつもなら救出に走り回っているこのパート、ヒロインは確実に一人ずつ殺すため、高坂の為に、愛に奔走する――


最初は桜葉くん。救出必須アイテムの火ばさみを処分しようとすると邪魔が入る。なるほど、今回はそういう感じなのか。上手くだまして救出を妨げるのか。
ここで間違えると救出成功するけどバッドに。

泣く泣く生存アイテムを処分していく。
しかも一番最初が桜葉くんなのキツイよ…

火ばさみ捨てるシーンで桜葉くんとの回想シーン流すのやめろ……キtttッツイ演出。演出としては最高だけど。

次は穂波。冷凍庫の電源コード切れる包丁をしまっちゃうよー!しまっちゃうよー!!しまっちゃうよー!!!
冷凍庫の中から穂波が見ててめちゃくちゃ扉たたいてくるの耐えられない。助けに来た秋山に「アイスピックで扉の氷をがんばって削ろう!」みたいにしらじらしく言えるヒロイン。
一応悲しんではいるみたいだ。

秋山は、探索する部屋を一回でも間違えると救出されてしまうので迅速に殺す。理科室に行き塩酸をシンクにシューーーート!!!
倉庫に戻るとガスが充満して秋山は死んでいた。
悲しみつつも「謝るのは一番しちゃいけない。あと二人だ」とか言い出すヒロイン。もう感情移入とかそういうのわかんない。


会長は池のそばの石像をなくすのが勝利条件なのだが、この石像は穂波、秋山、風野、桜葉√では使用することはないものである。会長本人の救出でのみ必要なギミックなので、推奨攻略順にやっていると分かる仕掛けで面白い。
ここでの豆知識は肉刺知識で、オリーブオイルを肉刺に塗るといい という内容だった。一つ賢くなったありがとう神子元先生。


最後は風野。油断ならない相手だ。最後のターゲットとしては色々な意味で申し分ない。

ここで協力して脱出しよう!を選ぶと「お互いにお互いを内通者だと疑っているはずの状況なのに俺に協力もちかけるのは俺が内通者じゃないと分かってるからだ」といって捕まるバッド。

ここは女は皆女優なのよ、ってことで演技する。騙される風野。背後に現れる高坂。
風野くんは妹が作ってくれたペンダントで絞殺されてしまった。このペンダントが救出で役に立つシーンもあったのに、残酷すぎるしこれ考えた人すごい。


全員殺して、頑張った!と先生に抱き着くヒロイン。優しく抱きとめる先生。
こういう狂った二人みたいな、メリバ臭のする話大好物だから楽しくて仕方ない。

弟と決着をつけに行った先生を追って教会に行くヒロイン。しかし双子の弟、高坂秀彦に捕まってしまう。

高坂弟に掴まり、首にナイフをあてられたヒロイン
「彼に殺されるのは…みんなを罠に嵌め、殺してきた私には、相応の最後だと思う。こういう報いを受けるのも仕方ないと思う。でもせめて…先生の心に触れてから死にたい」
「『私』を先生に、刻みこんでしまいたい」


もう、すごいなとしか言いようがない。人ってこんなに変わるものなの?
冒頭の少し食いしん坊な普通の女子高生なヒロインはどこへ消えたの??
台詞の感じとかがとてもいいなーと思わされる。これは好き嫌い別れる√だと思うけど、好きな人はとことん好きだと思う。

 

 

最後、選択肢で私を殺してと弟に言うと特殊エンディングバッドに。
「自分以外の人間のことを考えて死を享受する人間を殺してもつまらない。兄さんではなく私を見ろ」と言われ放り出されたヒロインは気絶してしまう。

そして暗転後――


目隠しをされて行動を制限されているけど先生と暮らせて幸せだ。というヒロインの台詞。画面は真っ暗だ。
事件の重要参考人とされたヒロインを警察は追い続け、ヒロインの家族は謝罪会見している。
最悪の結末だが、幸せだというヒロイン。完全な闇落ち。

そして……動けないヒロインに食事を与えている高坂のスチルが出るのだが、声がもう高坂じゃないんだよ……
高坂の弟を高坂だと信じ切って盲目に幸せだと思っているヒロインとヒロインを手に入れて幸せな高坂秀彦――というバッドエンド。

このエンド、すggggっごく好きです。


高坂先生のトゥルーも勿論よかった。
「私を刺して」と高坂先生に向かって言うと大した自己犠牲だと弟に笑われる。しかし
「あなたに殺されるよりは、先生に殺されたい、それだけです。」
「その方が、先生は私を覚えていてくれるでしょう?私の皮膚を切り裂き、肉を貫いた感触も…熱い血管が断ち切る手応えも…私はあなたじゃなく、先生に捧げたい。そして、先生に…私を殺した痛みを、ずっとずっと覚えていてもらいたいんです!」(原文まま)

高坂弟が「バカな…なぜそこまで」って引いてるけど本当だよ!快楽殺人者に引かれてるよ!!!

耳元で何かが言葉を発してるけれど…私はもう、高坂先生以外の存在を知覚してはいなかった。ただ視界を高坂先生で一杯にしたくて。祈る人のようにただ、彼を見つめる。
(原文まま)


本当にこのシナリオもそうだけど台詞を考えた人は天才か??


高坂先生は弟を刺すのだが、双子の兄を殺して半端な自分に吸収して完全になりたかった弟とは違い、高坂先生はずっと自分を殺したくて、自分が殺されるところをみたくて仕方なかったという話……

 

この後のCGも本当に最高なのだが、
いつか先生に殺される時が来るかもしれないけど その瞬間だけは彼は私を見るはずだ。そして私は全てを知るだろう――


ってヒロイン、ほんとうに、どこで狂ったのか。

 

トゥルーは国外逃亡エンド。先生は弟の死体が先生と思われているらしいがヒロインは普通に追われている。

ベッドCGも眼福。先生が話しかけてるのに聞いてなかったヒロイン「…ごめんなさい。あなたの顔を見てて…全然聞いてませんでした。」
ヒロイン、お前どんどん愉快になっていくな……


地図上にない獣道をはっけんしたからそこを通ってまた逃げようという話で、その道はどこに続くのかと聞くと、どこにも。と返される。
「――そうだ。私たちは、どこにもたどり着きはしない。それでも私たちは歩いて行くのだろう。黄泉路にも似た荒涼とした道を彼とふたり肩を並べて」
「何も生みはしない道だけれど、罪深い私は、そこに甘く腐った幸せを感じているのだ。」

 


本当に良√でした。色欲の名にふさわしい退廃的で耽美なエンド

 

 

 

最後
桜葉√


だいたいはもう他の√で分かっているし展開も同じ。彼だけは2周目でもある。
今まで開かなかった鎖巻き付いたキャビ、この√では開くのである。というのもバーナーを入手するのだが、使うために必要なゴーグルは桜葉が身につけているものオンリーなのだ。
キャビの中身は桜葉のお姉さんが殺されたときのビデオ。お姉さんは、命よりも弟が大切だから、弟を犠牲になんてしない!と最後まで抵抗し殺されていた。
放送の声などから、少しでも姉を、自分を想ってくれていた姉を疑ったことを後悔し、失踪しただけで生きていると信じていた姉の殺害場面をみて泣く桜葉くん。

このシーンが一番本当にかわいそうだった。

 

 


お姉さんを殺したのは高坂弟が主犯で、
死ぬ間際に人間は本性を見せて縋ってくるのに桜葉綾子だけは最後までそうしなかった。命より大切なものなどないはずなのに。このままでは負けて悔しいから命がけで守った弟に綾子が犯人だと思わせたかった。綾子が守った弟は守られる価値がなかったと思い知らせたい。という気持ちでこの舞台を用意したという。


最後に教会に火を放った時に、高坂弟は自分が高坂を殺した時のコレクションが燃える!と慌ててコレクションのもとに行って死ぬ。
命よりたいせつなもの自分もあるじゃねーか!!と桜葉は言うが、ヒロインは

「きっと彼は自分の命を実感できてなかったんだよ。だから人を殺す瞬間をみて、命の実感を得ようとしていたのかも。」と。


禁忌とされて隠れて生きてきた秀彦はきっとそうやって歪んだんだろうと思うしヒロインはいいところを掬ってくれる。


桜葉くん自身の感想は、
「今度お前の写真撮らせてくれよ」
「可愛く撮ってくれるならね」
「写真は現実しかうつさねーよ!安心しろよ、かわいく撮れるとおもうからさ」

ってやり取り。

 

 

 

 


あと、私は最初からずっと神子元先生が怪しいと思っていたのだが、言ってしまうと彼は本当にチュートリアル死のためのキャラだった
ただ、CG確認画面でのコメントで、冒頭の狭い部屋の男をタッチすると「この男は何者なんだろうね」というようなコメントが出てくるのだが。宇宙空間でパソコンをいじっているのも神子元……なんかよく分からないが怖い

CGをタッチするとコメントが聞ける。
テラスのCGでの会長「月が照らすテラス」
溺れCGでの会長「坊ちゃんがぼっちゃんとお池に嵌ってさあ大変」

 

 

とにかく面白かった。
双子トリックだけは私がミステリで特に嫌いなトリックなので許せない気持ちはあるが、それ以外は本当によくできているし面白い。
キャストも豪華。
OPも良い。
シナリオも面白く、周回もサクサク。
キャラもいいし、台詞も最高。
バッドも充実。
そしてヒロインが良いのである。

こういうシナリオや、仕掛けに凝った乙女ゲーは貴重。電撃の雑誌で昔何かに選ばれたらしいがそれも納得の充実の一本だった。