乙女ゲーマーはお兄さまに恋してる

乙女ゲーヒロインを操作して恋愛することになった喪女の波乱万丈の乙女ゲーム生活を描いている『(ヒロインの)精神潜入ロマンティックラブストーリー』

【怪盗アプリコット】奴は大変なものを盗んでいきました

2020年初プレイの乙女ゲーは怪盗アプリコットだった。
移植を繰り返した本作が最初に発売されたのは2002年。乙女ゲーマーたちが令和の神ゲー・バスタフェを絶賛してプレイしている中、何故か時代を逆行して18年前の作品をプレイした。
もちろん同時期にプレイしている乙女ゲーマーは誰もいなかったので時代に取り残されたような気分になったが、実際私が勝手に過去に取り残されに行ったようなものなのでまあ仕方ないよなと思いつつ、令和のこの時代に古き良き乙女ゲーを感じられて結構楽しかった。

本作は怪盗アプリコットであるヒロインのあんず(全編ボイス有り……というかボイスオフ機能がない)が、先代アプリコットである母親からターゲットのハートを盗めという試験を課されて男を攻略していくというストーリーだ。
ターゲットのハートを盗まねばならないヒロインは、日中は素の姿でターゲットに偶然を装って近づき、夜は予告状を出して部屋に不法侵入するというアプローチで男どもを攻略していく。

ターゲットは5人。
河村元気(cv石田彰)15歳のショタでありアイドル
一之瀬知明(cv井上和彦アプリコットを追う新聞記者
周防篤(cv関智一)同級生のツンデレ金髪男子
屋敷渉(cv三木眞一郎)友達の従兄弟の寡黙なあんちゃん
松原大樹(cv櫻井孝宏)爽やかサッカー選手

と声的にも錚々たる面々である。ここに、

綾瀬望(cv伊藤健太郎)クラスメイトの迷探偵
藤巻瑞希(cv笹島かほる)恭介と同じ学校の謎の物静かな男子
望月草(cv小西克幸)お兄ちゃん♡♡♡
満(cv???)公園で空き缶拾ってる人

という4人を加えた計9人が攻略可能となっている。
いつもの初期予想はお兄ちゃんと周防が好きそうという以外全く決められなかったため、取り敢えず以前クリアしたことのある元気√から始めることにした。

 


河村元気

まずこの元気くんは上で述べたようにアイドルでありショタである。(ちなみにヒロインは高2)
元々ショタに食指が動かずしかも近年アイドルを攻略するのが無理になっているので結構きつかった。しかもこのショタ、二面性キャラなのである。何度でも言うが私は裏表のあるキャラが苦手なので色々積んだ。しかし文句ばかり言ってもいられないのでサクサク進める。

この元気くんはアイドル姿の時に撮影スタッフとして話しかけた際はイイ奴なのだが怪盗姿で会うと可愛げのないムカつくショタだ。
アプリコットとのやり取りも、警察に通報するぞ!などと最初はつっけんどんである。(通報は別に当たり前だが)
しかし、部屋に通い続けている内に心を開いてくれるというのが彼の√の大体の展開だ。

アプリコットに愛ある喝を入れられたことにより、スタッフ姿のあんずで接した時のアイドル元気くんもどんどんグイグイになっていく過程は良かった。
普段アイドルの仮面を被り、仕事のせいで友達もいない彼が、本来の性格で気を遣うことなく接することのできるアプリコットに惹かれていくというのはまあ分かる。

しかし日中スタッフとして正体を隠して話している中で元気くんがヒロインに惚れたのはよく分からなかった。

一番分からなかったのは元気の害悪ファンどもが撮影場所に押しかけてそれを追い返そうとするヒロインを元気くんが庇ってくれるシーンだ。
こういう展開はテニス部に押しかける雌猫を追い払ったら苛められたマネ夢主を跡部様が庇ってくださるという夢小説でよく読んだので『進研ゼミでやったところだ!』みたいな感じのイベントなのでそれ自体はいいのだが、何故かその後にケー番をくれるのだ。
たかがバイトにアイドルがケー番?!オメーはアイドルとしての自覚あるのかボケ!!!令和初乙女ゲーキレした。

あとは元気くんが飲みかけのお茶をヒロインにくれた時も汚ぇ!!!となってしまった。もう乙女ゲーマーやめた方がいいんじゃないか?


更に、終盤で元気くんから突然キスされるイベントが発生したのだが、何を隠そう私は了承もなく両想いの確認も取れていないのに突如キスしてくるのがマジで嫌なのでハ!?となった。
キレてばっかりである。


尚このゲームは怪盗エンドと怪盗にならなかったパンピーエンドみたいな2種類がある。
元気√はエンド分岐直前に実はあんず=アプリコットでした~五人の男の子のハートゲットは試験でした~とネタバラシすると、他の男にも会って品定めしてたのかよとキレられ(当たり前)もう現れるな!といった最悪の状態だ。


【怪盗エンド】

元気くんが知らぬ間に麻薬の運び屋をやらされていると知ったヒロインが助けに行かなきゃ!と元気くんを逃がし、その悪の組織に殺されそうになったところを元気くんが庇ってくれるというイベントが勃発。
正直この時まで元気くんに対しての感情が無あるいは怒りくらいしかなかった。
しかしヒロインを庇った後、
「あの時君を庇って死ねるなら本望だと思った。けどそれじゃ駄目だ……ずっと生きて君を守りたい」
と百億点の告白をしてくれたのだ。
もちろんヒロイン庇ってくれるキャラはLOVEだが、お前さえ生きてくれればそれでいい……と勝手に満足して諦めて愛した女を一人残して死んでいった数々の攻略キャラに聞かせてやりて~となった。
ちなみにEDが流れた後、2年後の元気くんは成長しショタではなくなっていた。

【ノーマルエンド】

パンピーエンドことノーマルエンドでは、「僕は僕を好きになれないのに、どうしてそんな僕を君に好きになってもらえるっていうんだよ……」という吐露の後に「君を好きな僕は、少しだけ好きになれそうな気がするよ……」という前向きな台詞が入ったのが良!だった。
ざっくりとした展開としてはあんずの通う学校に転校してきて恋人エンドという感じで終わった。

あとは、テレビで元気くんが明らかにヒロインのことを匂わせる発言しているのを聞いたお兄ちゃんがテレビを睨んでいてそれを指摘したら「最近目が悪くなって都合の悪いものが見えないんだ」と返してきたのには萌えちゃった♪

 

 

綾瀬望

探偵を目指すクラスメイトの綾瀬くん。
探偵を目指してるくせに推理力なさすぎて、ミステリ好きな私は「なんだこいつなめとんのか?」と好感度マイナスからのスタート。
彼は駅前広場でいつも人間観察をしているらしく、中学生の頃の趣味人間観察だった黒歴史を持つオタクは死んだ。
足音でヒロインが来たと推理するイベントがあったのだが、それが恋に落ち始めてるから愛の力で分かったのかマジで足音を記憶していたのかは分からんが後者だとしたら普通にこえーな……とか思ってたら、別の日も足音で当てられた時に「いつも(この教室に)ヒロインが来るから足音が聞こえるとついヒロインだと思ってしまう」みたいなことを言われてフゥ~~~↑となった。

あとは観覧車に乗るデートイベント来たと思ったら綾瀬くんは高所恐怖症らしく、ヒロインにしがみついてるスチルが入ったのも笑った。

綾瀬くんは探偵の父親が先代アプリコットを追っていたから自分もアプリコットを追うんだ!といってアプリコットを追っているのだが、「私はなにも悪い事していないのにどうして捕まえようとするの?」という至極まっとうな質問を投げかけられた後に自分でちゃんと考えて、「今まで誤解していた。好奇心からだけど君を手伝いたい」って素直に告白してくれた真っ直ぐさが一番魅力だった。

表でも裏でもいい感じになったところで、シャンプーの香りでヒロインがアプリコットだとばれてしまうというまさかの展開。声とかじゃなくシャンプーて……。

【怪盗エンド】

ずっと騙しててごめんと謝るヒロインに、気付けなかった自分が悪い、秘密にするのは当然のことだから気にしてない と言ってくれてマジで良い奴すぎた。
何より告白の言葉が
「君の全てが知りたかった。夜だけじゃなくて、一緒に日の当たる場所を歩いてみたいと思った」
っていう言葉で、いや、良すぎん???
綾瀬くんの当初の目的はアプリコットを捕まえる事だったけど結果的に別の意味で捕まえたね☆みたいな終わり。
ずっとお互い苗字呼びだったのが二年後は名前で呼び合っててウフフとなった。


【ノーマルエンド】

ヒロインが怪盗を辞めるといっても残念がることなく、「君と同じ目線で歩みたかっただけだから君が何者であろうと構わない」て言ってくれてマジでマジで綾瀬くんの告白良すぎ。
怪盗になれなかったけど一緒に探偵やろう!となって受験勉強イチャイチャスチルでFIN。

 

 

この男は公園で空き缶拾ってる謎の男だ。cvも???となっているがオタクなので櫻井孝宏だと速攻分かった。
ミステリアスなこの男、ほんとに意味わからなくて好きな食べ物聞いたら好きなものも嫌いなものもない。君は知らないだろうが時々無性に食べたくなる豆腐料理があるんだ。みたいなこと言われて本気で意味わからなかった。

本当にこの男は意味不明なのだが、ネタバレするとこいつは悪の組織のボスである。元気くんに薬の運び屋やらせようとしてたあの犯人なのである。
そして攻略キャラの一人 周防篤の働くカフェのマスター青木という優しそうに見える男はこの悪人・満に雇われてる殺し屋なのである。
怪盗アプリコットは意外とシリアスで闇が深いのだ。

取り敢えずそんな感じなのだがヒロインはそんなことは微塵も知らんので、満と普通に接し、満さんてよく分からないけど何故か惹かれるのよねみたいなことを呑気に考えているのだ。

しばらく満に会えない日が続き、やっと会えたと思ったら盛大にやつれていて心配するヒロイン。
久々に会った満「君は雪を見たことあるかい?」
唐突すぎてマジで意味わからん。


こんな不審な男に対してヒロインは「生まれた時からずっとあの人を探していたような気がする」と思い始めているのだが、いや、ここに関してはフルコンプした今一番謎すぎた。
なんでヒロインがこの男に惹かれたのか分からなさすぎて、惚れた過程を重視したい私は完全に思考停止してしまった。

その後話は急展開。満は悪の組織ムスカリのボスだと判明し、しかもヒロインの父親はかつて満を助けた恩人だという。満はヒロイン父が自分を殺すためにヒロインを差し向けたのだと思い込み、「私を殺せ」とか言ってくる。
満は悪の組織のボスでありながらなんか色々なことに疲れているような様子で、恩人の娘を殺すことなんてできないから自分が殺される方がいいと考えているのだ。

しかしヒロインは光属性な上に満に惚れてるので「殺せない!」となる。まあ当然だ。


そこで突然のキススチル。

満「本当は君に許されたかったのかもしれない……」


?????????????????????


重い展開なのは分かるが色々と説明不足なうえに急展開すぎて感情がおいつかない。私をおいて行くな!!!

満がヒロインに惚れたのはまあ百歩譲っていい。恩人の娘だし。でもヒロインが満に惚れたのほんっっっとに何故?!?!?!?!?!
出会いが空き缶拾ってる不審人物だった満をどうして昔から知っていたみたい……って惚れたんだ?!?!?!

しかも満は今まで散々悪事を働いてきたから君に殺されたいみたいなこと言ってたくせにヒロインが許しますつーた途端に「じゃあ君に側にいてほしい。雪が見たいんだ」って言い出すのホントなに?!?!?!?!??!?!?!??!?!?

しかもエンディング映像がいつもと違う!!!!!!!!!!!!!!!!
映画のスタッフロールみたいにしんみりした音楽が流れる!!!!!!!!!!!!!!

ラスト、2人で窓の外の雪を見ているスチルが入る。
ヒロインはいわゆる元気系ヒロインだが、この時ばかりは目のハイライトが消えて別人みたいなのはちょっといいじゃんとか思ってしまった。
満が、「(ヒロインを)初めて見た時からさらってしまいたかったのかもしれない……側にいると雪のように真っ白だった頃に戻れるような気がするから」と告白してくる。
そんな満に外に出てみようと声をかけるヒロイン。しかし満は目を閉じたまま返事をしない。


満、おそらく死亡。
(√の途中で余命半年と自ら告げていたし、エンドはちょうど半年後なので……)

ヒロインが「おやすみ満さん」と言って終わるのも他の√では絶対にない終わりで、展開としては中々良かった。

ただし本当に意味不明すぎてせっかく雰囲気は良いのに心が追い付かなかった。
あと三人目にやってしまったことにより、普段は気のいいマスターとして振る舞ってる青木がただ銃を撃ちたいだけでなんの反省や後悔もしていない満以上の極悪人だということを知ってしまった状態で残りを進めなければならないのは中々に気まずかったしいちいちむかついたのでそれは失敗だった。

 

 

松原大樹

松原はヒロインが元々ファンのサッカー選手だ。
爽やかイケメンだが最近調子が悪い。なんでもアイドルの水島みらに恋焦がれてしまって他のことが手につかないという。しっかりしろよプロ!!もうオメーいい年だろうがよ!!未成年アイドルに熱浮かしてんじゃねー!!!!

アプリコットとして会いに行ってもそんな調子で見向きもされない。そしてとうとう、水島みらに想いを伝えてきてくれみたいな依頼をしてくる松原。
アプリコットとして依頼を受けて水島みらに会いに行くが当然答えはNO。
なんだこの誰も幸せにならんイベントは。

しかもこの失恋イベントが終わった後にノーマル姿で松原に会いに行くと謎にケー番を貰えるのだ。
オメーつい昨日までのみらちゃんみらちゃんって熱に浮かれて失恋して泣いてたのに切り替え早すぎんだろ!!!いい加減にしろ!!!!!!
失恋した途端に対応に差がありすぎてキレたわ!!!!!!!!!!!!!

その後松原と良い感じになってそういうイベントが多発するのだが、ヒロインが一之瀬と話してるのを見かけて他のファンを放置してヒロインの元に駆けつけ食事の約束をする松原お前ホントいい加減にしろよ!ファンをないがしろにすな!!アイドルじゃないとはいえ一応有名人なの考えろや!!!!!!!!!!!
てかここにきて年確されたし、なんだ?こっちが年上だとまずいことでもあるんか?水島みらのことといいロリコンか??

アプリコットとして会いに行ったときに「実は今すきな女子高生がいて……」と告白される。
お前が好きな女は目の前にいるわよとかそんなことは置いておき、いや、アプリコット相手に年下未成年女子を好きなんだって2回も打ち明けるな!!!!!


【怪盗エンド】
アプリコットのパートナーとして松原は有名すぎるからこの恋は諦めよう……と別れを告げにいくと松原はイタリアチームへの移籍が決まったと報告してくる。
お前イタリアでも未成年にお熱になるんじゃねーだろうな……。
最後に実は松原さんが好きでしたと告白して逃げるアプリコット
1年後、自宅にエアメールが届く。内容は、実はアプリコット=あんずだと後から気がついた。そしてあんずとアプリコット二人のことが好きだった。と……


いやいやいやいや!!!!おめーそれあんずとアプリコットが同一人物だったからよかったものの最初は気づかないで二人に恋してたってことだろうがよ本当にいい加減にしろ!!!!!!!!!!!!!!どんだけ気が多いんだよ!!!!!!!!!!!!!


ラストではエアメールに書かれていた依頼通り、松原のハートを奪いに行って終わり。

 

【ノーマルエンド】

イタリア行き応援します!と言ったら「一緒に来てほしい」って…………

ヒロインは高2つってんだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒロインもヒロインでほいほいイタリアについて行って終わり。

 

 

一之瀬知明

17歳JKと26歳新聞記者って組み合わせにもう犯罪臭しかしない。ときめけるか?自分……と不安しかなかったこの√。
結論から言えば一番『無』だった。

一之瀬は昔からアプリコットを追ってる男なので割と最初から好感触。
しかし如何せんこいつはセクハラ発言が多い。普通にきもくて萎えっぱなしだった。

特筆するようなイベントもなかった√なので大分端折るが、終盤でずっと憧れていたアプリコットが目の前にいるのに記事にできないもどかしさとアプリコットを好きになってしまった己の気持ちの間で揺れ動きすぎたのかメンタルがヘラってしまいもう俺の前に現れるな!と脅してくる。
わかったわ……と立ち去ろうとすると突然のバックハグ。
「君を好きで苦しい事ばかりじゃなかった」
とかなんとか言われるけど週刊誌にアプリコットのスリーサイズはみたいな記事載せてた男にそんなん言われてもな……。


【怪盗エンド】

最後に一度だけ一之瀬に会いに行こうとする。
すると一之瀬は麻薬の件で満に取材をしようと試みて殺されそうになっていた。そんな一之瀬を庇ってヒロインは怪我を負ってしまう。
気がつくと一之瀬の部屋。一之瀬はアプリコットの招待に気がついていた。
その後一之瀬と正式にパートナーとなり、逃亡する満を追いかける。
なんやかんやで追い詰めたところで水島みら登場。
「私たちがしてきたことは謝って済むことじゃないけどもう2度としないから見逃して!」

そう。水島みらは満の妹なのだ。
ついでに言えば元気√で元気のカバンに薬忍ばせたのも水島みらだ。

正直、調子良いこと言ってんじゃねー!ってキレたがヒロインが「ウソ……!」とかいってモタモタしてる間に普通に逃げられた。
一之瀬が、この試験はアプリコットのパートナーを探すことだけじゃなくて満の組織を倒すことも目的で関係者を攻略対象にしたんじゃないかと鋭い指摘をしてきて初めてそういう事なんか!となった。
エンディングの恋愛面的な部分はあまり覚えてない。この√全体的にキレすぎて記憶にない。


【ノーマルエンド】

アプリコットのネタばらししたら気付いてた。
でも黙ってたからお互い様だよねで終わり。エンド後にヒロインは何故かフィギュアスケーターになっていた。


この√で一番面白かったのは一之瀬が欠伸する時の台詞が「はわわ……」だったことだ。

 


桐生恭介

恭介くんは、恭介くんの祖父が先代アプリコットに助けてもらったということで、祖父の命によりアプリコットの手助けをしてくれるという立ち位置。
正直、他の誰の√やってても出てきて手助けするどころか邪魔なので恭介を見るとイライラするようになってしまっていたのだが、√をやると意外と良い奴だった。

彼の家はyaのつくアレだが、そんな彼らの組の縄張りで違法なことをしている犯罪組織ムスカリと対立していて最終的にアプリコットと協力することでその問題が解決してハピエン、というのが全体のストーリー。

まあなんというか全体的に普通によかったのだが何と言っても彼は声が結城比呂なのが最高だった。
バックハグスチルと共に、「こんな風につなぎとめておかねーとお前ってすぐどこかに行っちまいそうで……」
と言われた時には『まあこのヒロインほいほいイタリアまでついて行っちまう女なんだぜ……』となった。


終盤、実は試験妨害こそがじいちゃんからの命令だったとカミングアウト。邪魔だと思ってた私悪くね~じゃん!
どうやら桐生家は桐生家でアプリコットのハートを奪うのが襲名試験だったらしい。

【怪盗エンド】

ムスカリを倒すのを手伝ってほしいという依頼を恭介から受ける。うちの組でできることなら報酬はなんだっていい、と。
結果、2人は殺人を犯すことなく相手を倒す。報酬は、「私のパートナーになって!」

2年後、ならず者相手に不正取引現場を抑える怪盗をやっている二人。奪った一億円でマイホーム建てたいみたいな話をしながらエンド。


【ノーマルエンド】

怪盗失格を謝るが、別に気にしていないと言われ、そのまま告白される。
エンド後は俺の嫁になれ!という終わり。

 

 

藤巻瑞希

アプリコットとして怪盗していると途中で怪盗アイリスというライバルが現れる。なにを隠そうというか全然隠せてないのだがこのアイリスこそ瑞希くんだ。
ヒロインは勿論そんなことは知らないので、自分を殺そうとしてくるアイリスに戸惑うばかり。
私の代わりに5人の男の子からハートを奪う依頼受ける?と聞くと同じ過ちを繰り返すのか!と滅茶苦茶キレられる。

そして一方、普通の姿で出会う瑞希くん。最初はマジで取り付く島もないといった感じのクールボーイ。
しかし話しかけ続けるとデレてきてめちゃ可愛い。

夜になると何度もアプリコットの邪魔をしにくるアイリス。ある日桐生が助けに来てくれるが、そんな時でさえ「誰かが傷つくのは悲しい……」とかいって全然攻撃も反撃もしないアプリコット。アイリスはキレて立ち去る。アイリスだけじゃなくて私もキレた。
このイベントの翌日、自分が死んだら悲しいかと聞いてくる瑞希くん……

次にアイリスにあうと、恭介の心配をして気に病んでるし、この前のことを恨んでないのか?と聞いてくるし……
「私はアプリコットを倒すためだけに育てられたのにお前にすら必要とされないならどうすればいい……!」
「怪盗になんてなりたくない!」
と泣き叫ぶように捨て台詞を吐いて去っていくアイリスがもう可哀想すぎてここの声も良すぎて一番グッと来た。


ヒロインは瑞希くんとどこかで会ったことがあるはず……と序盤から言っているのだが正直私は『満相手に生まれた時から運命感じてたみたいなこというヒロインのいうこと信用できるかよ』と適当に流していたのだが、これに関しては本当に出会っていた。
なんと、瑞希くんはヒロインの従兄弟だったのだ。

詳しい話を両親に尋ねると、お母さんはかつて姉と怪盗を継ぐことで争っており、どうしても怪盗になりたくて何よりターゲットであるお父さんを愛していたから頑張ったが、お姉さんはそれに納得がいかずアイリスとして現れた。しかし勘当されてしまい以来姿を見せなくなったと思っていた中で、息子である瑞希くんといるところをお父さんが偶然発見したのだという。ヒロインが瑞希くんと会った記憶はその時一度だけ一緒に遊んだ時の記憶だったのだ。

ヒロインはアイリスにもう一度会いに行き、その真実を告げる。
それを聞いたアイリスは、もう貴方になにもできない……と崩れ落ちる。
瑞希くんの初恋の女の子もあんずだったのだ。

やっと和解かというところでお母さんの姉、つまり瑞希くんの母親が登場し、「この子は今まで嫌だなんて言わなかったわよ!」と今までの自分の行動を反省する様子がない。
しかし瑞希くんはやっとここで、お母さんに捨てられるのが嫌で我慢していただけ、本当は女の子が欲しかったんでしょ!?とずっと秘めていた想いを母親にぶちまける。

そこにヒロインの母親も登場し、怪盗は一人だけという決まりさえなければ自分は姉さんと2人で怪盗がしたかった、と告白する。
それを聞いたヒロインは、じゃあ私と瑞希くんがパートナーになればいい!と宣言。

最後2人はパートナーとなり、かつて自分たちの母親がなしえなかった希望を叶え、怪盗として活躍するのだった……。


この√、怪盗アプリコットの中で一番最高だった。
従兄弟オチということで恋愛は薄いが、一番人間ドラマ的に面白かったし作品中に散りばめられた謎や設定が綺麗に回収されてよかった。
絶対みんな好きでしょ瑞希くん……
この√をやって、アプリコットやって良かった!と心底思った。

 

 

屋敷渉

彼については最高に盛り上がった瑞希くん√の後ということでイマイチ心が乗り切れなかった。
ので記憶が薄い。

屋敷さんは無口なイケメンマッチョなのだが、職業たこ焼き屋さん(近所の公園が売り場)という中々におもろい男だ。
おもろいが、序盤は本当に何もしゃべってくれないのでコミュニケーションが全然成り立たない。
しかしアプリコットとして接する中で彼は親友を青木に殺された為、たこ焼き屋さんをやりつつ復讐の機会を狙っているということが分かる。

協力を申し出るが死ぬのは俺一人で良い、という屋敷さんに「なら私を守って。目の届くところで動かれた方がいいでしょ」とうまいこと持ち掛けるヒロイン。
いや~~~これぜってえ屋敷さん復讐しねえな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

一方JK姿で屋敷と接してるパートでは、「また来るのか?」とこちらを気に掛けるそぶりを見せたりなんかしてくれて萌えた。
そしてこの√ではヒロインがガツガツしていて、祭に一緒に行くことになった時は「デートですね!」とかいうし「腕組んでいいですか?」とか聞いちゃう。
いや、試験として攻略しなければいけないから別にいいんだが他の√ではそんなんしなかったやんけ。

しかも屋敷√では夏祭りイベント海で溺れて救助イベント、更には看病イベントまであるのだ。
乙女ゲー頻出ときめきイベントてんこ盛りか?屋敷さんは制作陣のオキニなんか?????


【怪盗エンド】

キレていい?キレたしキレるけど。
一言でいうと「復讐なんかヤメテー!」のエンドだった。
まじで、無理。
屋敷は日和って青木の右手を撃つだけにとどまり、自分は今後ヒロインを守って生きていくからみたいなことを言って復讐オワリ。
満も青木もその場で殺せや!!!!!!!!!!!!

お前の親友は勘違いで殺されたんだぞ?!?!?!?!
その復讐するためにこれまで生きてきたのにJKに唆されただけでやっぱ復讐はやめようてなるかよ!?!?!?!?

しかもその後
満が逃亡しようとする→ヒロイン「そんなの許せない!」→満「じゃあ殺すしかないな(屋敷に銃口向け)」→みら「ヤメテー!」

ハイハイハイハイ!!!!例のやつきたよ!!!!!!!!!!
どうしてこんなことをするの?!とヒロインが問い詰める。

満「2人で生きていくにはこうするしかなかったんだよ」
みら「私のせいなのね……」(銃口自分に向け)
アプリコット「危ない!」
アプリコットの武器()パチンコで銃を打ち落とす。
みら「お兄ちゃん……今の気持ちが大切な人を失った人の気持ちなのよ……もう帰ろう……?久しぶりに……臭豆腐が食べたいな……」

 


なんで

臭豆腐

なの

なんで

 

もうここ茶番すぎて作中でも1、2を争うシリアスシーンなのに大爆笑した。
臭豆腐じゃなくてもよかったじゃん。
なんで?臭豆腐がだめとかじゃなくて、もっとノーマルというか一般的な食べ物じゃだめだったの?
臭豆腐ってめっちゃ臭いんだよね確か……そんなさ、中々インパクト大な食べ物チョイスしなくても良かったじゃん……
臭豆腐インパクトでかすぎて今までの内容頭から抜けたよ……
青椒肉絲とかじゃだめだったの?

なんか……満√を楽しんでしまった後だけど冷静に考えて満はクソだし水島みらもよくわかんねーし青木は最後まで生き残ってムカつくし……
なんなんだろうこの気持ち……

気を取り直してラストだが、お前がいるから死ぬのが怖くなったって屋敷に言われたのはよかったと思いました。

【ノーマルエンド】

キレていい?もう五億回キレたけど。
ヒロイン「復讐なんてヤメテー‼助けてくれた親友の人だってそんなの望んでない!」

はいきたよ。憎いやつ。
屋敷も屋敷でそうかもとか納得すんなし。
自分は死んだものとして生きてきたし何も怖いものはなかったけどお前を失うのは怖いって告白された。

私はJKとちょっと過ごしただけであっさり復讐やめるオメーのが怖いわ。

あと屋敷さんの服装がタンクトップなのが無理だった。
何しててもタンクトップが気になって……
もはや上半身裸の方が良かった……


周防篤

周防くん……私は君に会うために怪盗になったのだわ……!と思うくらいぞっこんラブになったこの√。
満や屋敷√のようにツッコミどころがあるわけでも瑞希くん√のようにシナリオに緩急というか勢いがあるわけでもなかった。
しかし、古き良き乙女ゲーというか、奇をてらってない普通の展開なのにこんなに萌えられるのか!と改めて乙女ゲーの楽しさを思い出させてくれた。

彼はツンデレ金髪同級生なので最初は普通に口が悪いのだが、根が良い子なのでツンデレしててもお礼は言ってくれるし謝れる出来た攻略キャラだった。

好きな人がいるかを聞かれて答えようとしたら、もう何も言うなと真っ赤になりながら正面から抱きしめられた。

アプリコットとして彼の部屋を訪ね、帰ろうとした時には「気を付けて帰れよ」と自然に気遣ってくれた。

そんな普通の彼に、荒んだ私の乙女心は完全に持っていかれてしまった。
周防篤は大変なものを盗んでいきました……それは私の心です。(ニコ動全盛期オタク)
そういえば序盤、周防くんが頑なにヒロインを放送部と呼ぶのだがそれに対し「周防くんって何も部活やってないのよね。じゃあこれから帰宅部って呼ぶわね。じゃあね、帰宅部!」って言い返すのめっちゃ笑った。


【怪盗エンド】

彼の祖父はトレジャーハンターだったらしく、その影響で周防くんも考古学とかに興味があった。
というわけで、2人はパートナーになりトレジャーハンターという名の怪盗になりましたとさ。

【ノーマルエンド】

怪盗にはなれなかったが、2人は純粋に恋人同士になり、頭のよくないヒロインは頭の良い周防くんと一緒にたくさん勉強して無事同じ大学に進学しましたとさ。
ただしここでの告白がいわゆる公開告白だったことだけは無理の介だった。(公開告白ド地雷オタクなので)

 

 

望月草

待ちに待ったお兄ちゃん。
お兄ちゃんの良かったところは乙女ゲーお兄ちゃんにありがちなヤンデレお兄ちゃんじゃなかったところだ。
重度のシスコンだが変に暴走せず見守ってくれて甘やかしてくれるという貴重なお兄ちゃんで久しぶりに癒された。
お兄ちゃんは正式攻略キャラの立ち位置ではないのでイベントもまあ薄い感じのばかりで正直備忘録を書くこともほぼないのだが、お兄ちゃんはイベントというより何気ない会話や共通ルートでみられる妹への純粋な愛情っぷりが最高だったのでそこまでの文句はない。

萌えたのシーンは多々あるが、机の上にラブレターを見つけてしまい、「お兄ちゃんってすっごくモテるのに、どうして誰とも付き合わないの?」と聞いたら
「そんなの簡単なことだよ。誰も好きじゃないから付き合わないんだ」
と当然かのように返されたところとか良かった……。
お兄ちゃん、部活の後輩にキャーキャー囲まれていても妹がくると速攻駆けつけてくれるんだよ……ラブ……

あとはコソコソ隠れて何かしてると思ったら、犬アレルギーの妹に配慮してこっそり犬の次郎を散歩させるバイトをしていたというなんとも和むイベントもあった。

その時のイベントシーン一部抜粋↓

お兄ちゃん「次郎、1678×3引く5033は?」
次郎「ワン!」
お兄ちゃん「じゃあ3972÷4+2567引く3559は?」
次郎「ワン!」

ここ笑うシーンなのだが私は答えが1になる複雑な計算式を咄嗟に言えるお兄ちゃん素敵……とときめいてしまった。

この後バイト期間が終わり次郎とも別れることとなったのだが、そこでお兄ちゃんに泣かないのかと尋ねると

「……お兄ちゃんが泣く時は、あんずになにかあった時だけだよ。それに、お兄ちゃんが悲しい時は、あんずが泣いてくれるから、それでいいんだ」

お兄ちゃん……なんて純粋に良いお兄ちゃんなのだ……
近年乙女ゲーのお兄ちゃんといえば狂った男ばかり。そんな狂人どもを好きな女なのでなんともいえないがそれでも私の心は知らず知らずのうちに疲弊していたのだろう……。ただひたすらに優しくて妹を家族として愛してくれてるお兄ちゃんを前に、完全に『妹』になってしまった。

しかもバイト代が入ったお兄ちゃんはそのお金でアクセサリーを買ってくれるのだ。最初から、その為と決めていたと……。お兄ちゃん~~~♡♡♡

他イベント詳細は割愛するが、お兄ちゃんの萌えた台詞集

「お兄ちゃんに黙って彼氏を作るなんて許さないぞ?(全然怖くない優しめボイス)
「男の急所は知ってるか?何かあったらそれで時間を稼げ。お兄ちゃんが自転車で駆けつけるから
「本当に心配なんだよ。お兄ちゃんがお前の代わりに女怪盗になればよかったと思うくらいに」
「あんずより優先させるものがあるわけないだろう?」
(幽霊がいたとビビるヒロインに)「幽霊に何かされたのか?大丈夫だよ。おまえは心が綺麗だから

 

【怪盗エンド】

誰のハートも奪えなかったヒロインはパートナー不在になってしまうがお兄ちゃんが今まで通り自分がパートナーをやる!と両親を説得。
ヒロインも、まだ好きな人ができるなんて考えられないけどその時まではお兄ちゃんに甘えてもいいよね?
という感じで二人は良きパートナーとして怪盗を続けてい。

【ノーマルエンド】

怪盗になれず落ち込むヒロイン。
しかしお兄ちゃんは元々あんずに婿候補なんて早いと反対していたから安心した、気に病むなと。
「あんずが怪盗じゃなくなってもヒース(怪盗の手伝いをするお兄ちゃん作のロボット)は家族だし、怪盗服だって着たければ着てもいい」
「爆弾だって、投げたくなったら投げていいし」
↑こういう天然発言するところもお兄ちゃん最後まで癒しだった。

ヒロインは普通のJKとして生きていくこととなり、ヴァイオリニストのお兄ちゃんは留学を蹴って妹と過ごすために音大に通うことに。
ヒロインはかつてやめてしまったピアノをまた始める。
母親やお兄ちゃんのように音楽の才能はないので上手ではないが、自分がお兄ちゃんの側にいるにはこれしかないと。

「(お兄ちゃんは、いつまでも私の側にいてくれる訳じゃないだろうけど、今私が一緒にいたいのは、やっぱりお兄ちゃんだもん。)」
「(もう少し、私が大人になるまで……私だけのお兄ちゃんでいてね、草お兄ちゃん……)」

 

 

 

というわけで、怪盗アプリコットをフルコンプした。
全体的な感想としては、確かにちょっと古い乙女ゲーだが色あせることのない面白さがあって、近年の「こういう変わったのが好きなんだろ~オラオラ」みたいな空気を感じなかったのが良かった。
あとやっぱりヒロインはうじうじして流されるタイプより明るくてはっきり意思を示せる子の方が愛せるな!と思った。


そうそう、このゲームで忘れてはならぬのがミニゲームの存在だ。本作には怪盗度パラメータを高めるミニゲームが3種類あり
・お母さんとの神経衰弱
・放送部仲間の友達とのタイピングゲーム
・化学の先生が作った杏拾いゲーム
なのだがどれもめちゃくちゃめんどい。

神経衰弱はスマホで写真を取ればなんとかなるが、あんず拾いは上から落ちてくるあんずを100個拾わねばならずしかも一つでも落としたらゲームオーバーなのだ。
しかし一番だるいのは放送部ゲーだ。
指定された文章を画面上のキーボードで打つのだが、文章が滅茶苦茶長いうえに制限時間付き、なによりキーボードのひらがなの並びが毎回ランダムなのだ。
ミニゲームがある乙女ゲーは時々あるがマジで1、2を争うだるさだった。
あと化学の佐藤先生、ヒロインが昔の恋人に似ているからというキモイ理由で依怙贔屓してきてドン引きするが実は父親の変装だったというオチなので佐藤先生のことはキモがらないであげてほしい。(このこと忘れてて元気√でずっとキモいキモい言い続けたオタク)


あと、エンディング映像と音楽が平成初期アニメのEDみたいだからマジで見てほしい。キッズステーションの再放送とかで流れてそう。

 

恒例ヒロイン部屋

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